GMMAが変えた相場の見え方 ― 構造トレードの出発点としての意味

FX構造研究ノート

GMMAについて ― 流れを読むための基準

GMMAは、相場の“流れ”を視覚的に理解するためのインジケーターです。
名前の通り、複数のEMA(指数平滑移動平均線)を束ねたもので、短期群と長期群の2つの層から構成されています。
つまり、EMAの集合体です。

僕自身、以前はEMAを個別に表示していましたが、正直、ほとんど見ていませんでした。
その頃の僕は「線を引いても動きが読めない」と感じていたし、EMAの1本1本に意味を見出せていなかった。
けれど、GMMAに変えたことで、相場の呼吸が“塊”として見えるようになりました。
どの方向に力が集中しているのか、どの時間帯に勢いが失われているのかが、感覚的に分かるようになったのです。


ゴールデンクロスとデッドクロスの誤解

教科書には「ゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売り」と書かれています。
ただ、これを鵜呑みにしてもうまくいかないことが多い。
理由は単純で、「どの時間足でのクロスなのか」という意識が抜けているからです。

1時間足を主軸にトレードしているなら、1時間の長期群がパーフェクトオーダーしているかどうかは、非常に重要です。
長期群が下から上に整い始めたなら、そこで初めて「流れが変わる準備」ができたと判断できる。
逆に、15分足を主軸にしているなら、1時間の長期群は背景にすぎません。
15分の長期群が整っていないのにエントリーしても、勢いが続かずに負けることが多い。

つまり、どの時間足で戦うかによって、クロスの意味はまったく変わるのです。


トリガー足と流れの整合性

僕が特に意識しているのは、トリガー足となる1分足の短期群です。
どんなに上位足の条件が整っていても、1分の短期群が狙った方向にパーフェクトオーダーしていない限り、エントリーはしません。
これは単なるルールではなく、“瞬間の勢い”を見極めるための最低条件です。

上位足の流れに沿うことは大前提ですが、
エントリーのトリガーはあくまで下位足で見極める。
この両方が噛み合って初めて、トレンドに乗れると感じています。


GMMAを使う意味

GMMAを使う最大の理由は、相場の「層」を感じ取ることにあります。
1本の移動平均線では見えない時間の積み重なり、
短期と長期の思惑の違いが、重なり合う帯の動きで一目で分かる。

特に僕が意識しているのは、長期群の傾きと開き方です。
長期群が扇状に広がっているときはトレンドが継続中。
逆に、束ね始めているときは、調整か転換が近い。
この“広がり方”と“収束の速さ”を見るだけでも、次の展開が予測しやすくなります。


GMMAと他のインジケーターとの関係

主軸はGMMAですが、僕の中ではダウ理論、ボリンジャーバンド、RCI、そしてMACDが補助的に機能しています。
どのインジケーターを使うとしても、考え方は共通しています。
つまり、「どの時間足でどんな力が働いているのか」を読み解くことです。

GMMAは流れ、RCIはタイミング、MACDはエネルギーの変化を示してくれる。
それぞれの役割を理解して、必要な場面だけ使えばいい。
すべてを同時に見る必要はありません。


まとめと次へのつながり

GMMAで相場の呼吸を掴めるようになると、次に見えてくるのは時間足同士の会話です。
1時間では上昇、15分では下落。
このズレこそ、トレンド転換や押し目・戻りのヒントになります。

その整合性を見極めるのがマルチタイムフレーム分析(MTF)です。
上位足の流れを背景に、下位足の呼吸を読む。
これができるようになると、相場全体の構造が立体的に見えてきます。

ただ、ここで必ず出てくる疑問があります。
「上位足に逆らってでも入るべき場面はあるのか?」
この答えを導き出してくれるのがMACDです。

GMMAが流れそのものを可視化してくれるなら、
MACDはその流れの内側で起きているエネルギーの変化を見せてくれます。
次回の記事では、MTFとMACDの関係を掘り下げ、
どこまで逆らって良いのか、そして逆らうなら何を根拠にするのかを、実際のチャート構造をもとに整理していきます。