MTFという考え方。時間足の組み合わせに正解はない。

FX構造研究ノート

MTF(マルチタイムフレーム)と聞くと、
「どの時間足を組み合わせれば正解なんだろう?」
そう思う人は多いと思う。

1時間なら5分。
4時間なら15分。
誰かがそう言っていたから──僕も昔はそんなふうに考えていた。

でも、やっていくうちにわかった。
正しい組み合わせなんて、そもそも存在しない。


自分がどの時間足で戦うかを、まず決める

大事なのは、どの時間足で“戦うか”を最初に決めること。
昨日は1時間でうまく取れたから、今日も同じようにいこう。
それはもう、最初からズレている。

トレードは“トレンドが出ている時間足”でやるべきなんだと思う。
1時間が動いていないなら、無理に1時間で入る必要はない。
そのときは、15分を見る。

ただ、15分が動いているときは、
たいてい1時間は“調整中”になっている。
つまり、15分で見える流れは、
上位足の中の一時的な波にすぎないことも多い。

この構造を無視すると、たいてい失敗する。
だから、最初に決めるべきは「どの時間足で勝負するか」だと思う。


時間足を固定してはいけない理由

僕がMTFで一番大事だと感じているのは、
時間足を固定してはいけないということ。

例えば、1時間と15分をメインに見ていたとする。
1時間が戻しの最中で、勢いが弱まってきた。
15分も1分もショートサイン。
短期群も整っている。

「よし、ショートだ」と思ってエントリーした瞬間、
5分を見てみたら、しっかり上向きの構造ができていた──
そんなことが本当によくある。

昔の僕はそれを無視していた。
「上位が下向きなんだから、下に引っ張られるはず」と。
でも、実際は違った。

それは、1時間のローソク1本の中でのノイズにすぎなかった。
下位足が整っていても、それが上位足の流れと噛み合っていなければ、
ただの逆行になる。

この感覚が掴めるようになるまで、
本当に時間がかかったと思う。


答えは全部揃ってからなのか?

じゃあ、全部の時間足が同じ方向を向いたときだけエントリーすればいいのか?
それも違う。

相場は「どこまで戻すか」「どこで再開するか」を
見極めなきゃいけない場面がある。
そのために、下位足を使うんだと思う。

1分や5分を見て、整い始めた兆しを拾う。
それが上位足の再開につながることもある。

でも、その整い始めが本流かどうかはわからない。
だからこそ、焦らずに「ズレ」を観察する必要があると思う。


MTFの本質は“重なり”じゃなく“ズレ”にある

多くの人は、時間足が同じ方向を向いていると安心する。
でも、本当のチャンスはズレている瞬間にある。

1時間が上昇。
15分は戻し。
5分は下落を作っている。

このズレが、1時間の押し目になることもある。
逆に、4時間が下落で、1時間が上昇しているなら、
そのせめぎ合いの中で“どちらが勝つか”を見極める場面でもある。

上位が勝てばトレンド再開。
下位が勝てばトレンド崩壊。

このバランスを意識できるようになってから、
やっとMTFの意味が自分の中で腑に落ちてきた気がする。


そして、次につながる話

ここまで話してきたことの中に、
1つだけずっと引っかかっているテーマがある。

それは、「15分のGMMAに逆らって入るべき時があるのか?」ということ。
正直、あると思う。

ただ、それはどんなときでもいいわけじゃない。
1時間の長期群が整っていて、
15分が調整を作り始めたとき──
その中で、ある条件が重なれば、
逆らってでも入る価値があると思っている。

その“ある条件”を見つけるために、
僕はMACDを使う。
次の記事では、その使い方を整理していくつもりだ。


まとめ

MTFに正解はない。
時間足は固定するものじゃなく、
相場の中で主導権を握っている時間足を見つけるもの。

整っている時より、
ズレている時こそ、相場の本音が出る。

そのズレをどう読むか。
そこに、僕が今も探し続けている答えがある気がする。